ケアマネジャーについて
ケアマネジャーの仕事とは?
病気等で日常生活において介護が必要になられた方が、住み慣れた自宅で過ごせるよう、介護保険の申請からサービスの案内・事業所の紹介など、本人・家族の思いを尊重し、個々の意向を聞きながら、様々な介護サービスや社会資源が利用できるよう、相談支援する役割を担っています。
例えば、
- 自宅のお風呂に入れず困っている
- 認知症の対応を相談したい
- 急に入院したけれど、退院後はどうすればいいのだろう?
- デイサービスを利用したい
- 電動ベッドや車いすを借りたい
- 歩くのが大変になってきた
- 老人ホームっていくらかかるの?
- 介護や生活支援が必要な方の手伝いなどの介護に関する相談
- 介護認定の申請代行
- ケアプラン(介護サービス計画書)の作成
- 介護サービス利用に関する手続き
など、介護に関する様々な相談を受け、介護保険の申請からお手伝いさせていただいています。
※参考:独立行政法人 福祉医療機構 WAM NET「介護支援専門員」
https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguidejobtype/jobguide_job07.html
ケアマネジャーとして
利用者の意志と人格を尊重し、常に利用者の立場に立って、特定のサービス事業所に不当に偏ることのないよう公平中立な対応を心がけています。
ケアプランセンターについて
実際のケアプランセンターの仕事
松本快生会には西奈良中央病院をはじめ、介護老人保健施設大和田の里や訪問看護ステーションのなでしことさわやか、奈良市委託の地域包括支援センターがあります。西奈良中央病院と大和田の里からは訪問リハビリも行っており、それぞれの部署と密に連携を取って、患者・利用者が安心・安全な在宅生活が送れるように努めています。また、地域のデイサービス、訪問看護、訪問リハビリなど、地域のいろいろな事業所とも日々連携をとっており、患者・利用者にとって最適なサービスがスムーズに受けられるよう調整役も担っています。
ケアプランセンターの最も重要な役割は、高齢者が介護保険を利用する際に、適正かつ有効に利用できるよう便宜を図ることです。「介護保険の利用が初めてで何から始めればいいのかわからない…」という方にはまず介護保険の説明を行い、ご理解をいただいた上で希望される方には申請からお手伝いしています。わからないことや不安なことなどがありましたら、抱え込まずに安心して気軽にご相談ください。
ケアプランセンターが志していること
運営方針は、“信頼と安心を提供し、その人らしい生活をサポートする” です。私たち職員は、この運営方針に基づき、利用者、家族の意向にじっくりと耳を傾け、その人らしく、その人の望む生活ができるようケアプランを作成し、提示しています。
ケアプランを考えていくにあたって、まず初めに自宅にお伺いします。その人の身体の状態、歩き方、動き方と、環境が一致しているかどうか、動線がきちんととれているか、転倒につながる危険な箇所はないかなど、リスクを発見することが自宅訪問の大きな目的です。ですがそれだけではなく、普段生活されている自宅を訪ねることで、その人が何を大事にしているのかなども感じ取ることができます。そして、自宅の中で日常をイメージしながら、毎日しっかりと食事がとれているのか、ご近所の助けがあるのかなど、生活の細かなところまでお話を伺っていき、その人に今必要なこと=的確なニーズをつかむことが私たちの仕事です。本人が考えているニーズだけでなく、本人も気づいていないけれど困っているだろうなという隠れニーズも引き出すことをとても大切にしています。
入退院支援のためのカンファレンスへの参加
西奈良中央病院との連携において、入退院支援のカンファレンスにも参加しています。主治医、看護師、ソーシャルワーカーと共に、入院中の患者が安心して退院後の生活へと移行できるようスムーズな連携の中でサポートしていけることが大きな特長です。また、外来の患者に関しても、主治医からソーシャルワーカーを経てケアプランセンターへと相談をいただくことも多く、様々な患者に対してグループ一丸となって寄り添っていくことができます。
ケアプランセンターの強み
7名の経験豊富な職員が、あらゆる依頼に、丁寧に関わらせていただきます
ケアプランセンターでは、7名のケアマネジャーの内、4名が主任介護支援専門員の資格を習得しています。主任介護支援専門員とは、5年間の介護支援専門員(ケアマネジャー)の経験を経て習得できるものです。経験豊富な職員がたくさんおりますので、安心してご相談いただけると自負しています。
法人内はもとより、地域の医療機関や各地域包括支援センターなどからも相談をいただいております。また、本人や家族から電話で相談をいただくこともあります。夫婦共に支援させていただく場合やターミナル期の方の在宅での看取り等は、担当ケアマネジャー2人体制を取り、安心して自宅で過ごせるように努めています。
あらゆる依頼に、一人ひとり丁寧に関わらせていただくことを心がけています。
様々な分野の専門家が揃っており、月1回の事例検討も行う
ケアプランセンターの一番の特長は、月に1回のペースで事例検討を行っていることです。ケアマネジャーの仕事における最終的な到達点は、本人や家族が困らずに安心して生活していける状況を一緒につくっていくことだと考えています。しかし、正解は一つとは限らないですし、もっと何かできることがあったのではないかと悩むこともあります。日々の相談や情報共有だけでなく、月に1回事例を持ち寄り、みんなで検討する場を持つことで、新しい視点を持てたり、ニーズの引き出し方や対応方法の幅を広げることができます。「その事例の場合、私だったらこういう方法もあるよ」などと意見を出し合う中で互いに学び合い、ケアマネジャーとしての技量を磨いていくことは、より良いケアプランづくりにつながっていきます。
7名いるケアマネジャーの元職は、介護福祉士、管理栄養士、理学療法士、社会福祉士など、様々な分野の専門家が揃っています。それぞれの専門分野や、知識、経験などを活かし合い、難しいケースや、介護保険制度の苦手分野など、わからないこと・困ったことがあればフォローし合っています。経験年数も元職も様々な専門家が揃っており、いつでも相談できる環境があることは、とても大きな強みだと実感しています。
緩和ケア病棟や在宅診療・訪問看護とも連携
時には思いを代弁することが、ケアマネジャーの役割の一つ
西奈良中央病院は在宅支援病院で、緩和ケア病棟・訪問診療科があり、在宅部門には2カ所の訪問看護ステーションがあります。例えば、「将来的には緩和ケア病棟に入院しようと思っているが、少しでも自宅で過ごしたい」と思われる方や、また反対に「今は緩和ケア病棟に入院しているが、最期の時間は自宅で過ごしたい」と思われる方の支援をさせていただくことも多いです。
主治医や訪問看護師とも連携をとりながら、最期まで自宅で過ごし、家族が看取りをするケースも少なくありません。ケアマネジャーは、医療の専門家ではないので、医師や看護師のように多くの専門知識を備えているわけではありません。だからこそ、本人や家族の気持ちに寄り添い、しっかりと聞き取りをした上で、時にはその思いを代弁することが役割の一つと考えています。
利用者の置かれている生活状況はそれぞれ違います。考え方も価値観も様々ですが、どのような支援があれば希望する生活を実現していけるのかを一緒に考え、本人にとって最適なサービス調整を心掛けています。本人や家族の思いを “ケアプラン(居宅サービス計画書)” を作成して提示した際に、「そうそう。その通りです。」と言っていただける時が最も達成感を感じる瞬間です。
これからのケアプランセンターの在り方
地域の皆様にとって、介護が必要になった時に、安心して気軽に相談できる場所でありたい
社会医療法人 松本快生会の “心の医療をもって、地域住民に貢献する” の理念にもとづき、地域の方々、また西奈良中央病院だけではなく地域の医療機関の患者が、介護が必要になった時には「西奈良中央病院にケアプランセンターがあるから相談してみよう!」と安心して気軽に連絡していただける場所でありたいと考えています。